睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは

睡眠時無呼吸症候群のイメージイラスト

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる疾患のことです。
肥満や喉・顎の骨格的な形状などが関与して、喉の空気の通り道が塞がることが、その主な原因です。

これを一晩中繰り返すため、深い睡眠がまったくとれなくなり、日中に強い眠気が出現します。酸素濃度が下がるため、これを補うために心臓の働きが強まり、高血圧となります。酸素濃度の低下により動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。
さらに睡眠不足によるストレスから、血糖値やコレステロール値が高くなり、さまざまな生活習慣病やメタボリック・シンドロームが引き起こされます。1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上出現するような中等症を放置すると、心筋梗塞・脳梗塞・生活習慣病・眠気による事故などを引き起こし、死亡率が非常に高くなるため、すぐに治療が必要です。

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SASの診断

睡眠時無呼吸症候群の診断は、まず問診で自覚症状や日頃の睡眠状況をお聞きすることから始まります。
睡眠中や日中の気になる症状がありましたら、ご相談ください。
次の3つの症状のうちいずれかがあれば、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

  • いびきがうるさい
  • 日中の眠気がある
  • 朝起きると体が重たい

SASの症状

  • 倦怠感
  • 熟睡感が無い
  • 起床時の頭痛
  • ED(勃起不全)
  • 夜中に何回もトイレに行く
  • 集中力や記憶力の低下 など

睡眠時無呼吸症候群の簡易検査

前記のような症状に心当たりのある患者様には、睡眠時無呼吸症候群の「簡易検査」をお勧めしております。
お貸し出しした専用機器を使って、ご自宅で検査を行っていただき、当院でデータを解析いたします。
睡眠時無呼吸症候群の診断、および症状の程度を測定するための検査です。

口と鼻に呼吸センサーを、指に血中酸素濃度を調べるセンサーをそれぞれ取り付けて一晩ご就寝いただき、時間当たりに10秒以上の無呼吸・低呼吸が何回生じるか、また同時に血中酸素濃度の低下が起こっているかどうかを調べます。

睡眠時無呼吸症候群は、「一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこるか、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上の場合」と定義されています。

SASの治療法

治療法は、睡眠時無呼吸症候群を招いている原因、また個々の患者様の状態に応じて、下記のような方法のなかから選択されます。

CPAP療法

CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法、通称シーパップ)とは、鼻に装着したマスクから加圧した空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除いて無呼吸を防ぐ治療法です。
中等症から重症の患者様にとても効果的で、ほとんどの患者様は、この治療を行ったその日からいびきをかかなくなり、朝もすっきりと目覚め、昼間の眠気も軽くなります。
また、CPAP療法は血圧を下げる効果や心血管死を抑制する効果が認められます。
今やSASの最も重要な治療法として、欧米や日本で広く普及しています。

生活習慣の改善

  • 肥満の方は、減量のために食事を腹八分目に抑え、適度な運動を心掛けます。
  • 寝酒はやめましょう。お酒は筋肉を弛緩させるため、気道の閉塞をさらに悪化させる可能性があるからです。
  • 睡眠薬のなかには筋弛緩作用を有するタイプのものがありますので、服用にあたっては、主治医にご相談ください。
  • 枕が高過ぎると下顎が沈み、上気道が塞がりやすくなるので、自分に合った高さのものを使うようにする。

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